食生活指導 本来必要な衛生士の役割
おさとう3本
- 「おさとう3本分」とは?
※ここでいう「おさとう」はショ糖だけではなく、果糖やブドウ糖などの糖類も含みます。
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甘いものを摂り過ぎると虫歯になることはよく知られています。
また、甘いものの摂り過ぎは歯肉が腫れたり唾がネバネバすることにも関係しています。
だからといって、「甘いものをいっさい食べないで下さい」というわけではありません。
当院では、「1日にとって良い甘い物は、8g入りのスティックシュガーで3本分までです」とお伝えしています。
それでは、実際に甘い物の中にはどれくらいのおさとうが入っているのでしょうか?
クイズに挑戦してみましょう。
マルの中をクリックすると答えがわかります。
- 「おさとう3本分」の根拠
- 「おさとう3本分」とは、おさとうが約24gということですが、この数字は日本や世界で提唱された3つの基準値が根拠になります。
- ① 日本歯科医師会:1977年「乳幼児の食生活とう蝕との関係についての考え方」
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≪むし歯予防のための年齢別のさとうの基準量≫ |
0~1才 |
15~20グラム |
1~2才 |
30グラム |
3~5才 |
40グラム |
6~8才 |
50グラム |
3才までは、むし歯予防と味覚の形成から、甘いお菓子や飲み物は与えないことが大切です。
(横浜歯科臨床座談会)
- ② 厚生省:1985年「健康づくりのための食生活指針」
- 『甘い物は程々に――糖分を控えて肥満を予防―― 』
1日40~50グラム以下に抑えるのが望ましい。
果物類にも平均10%程度の糖分が含まれているので、食べ過ぎないように気をつける。
- ③ WHO:2003年「食生活と栄養および慢性疾患予防について」のレポートより
- さとう摂取量の勧告:砂糖の摂取量は、一日の摂取エネルギー量の10%に抑える。
成人の平均摂取エネルギー量2,000kcalの場合
2,000kcal/日×10%=200kcal
200kcal÷4kcal/g=50g/日(1日に摂取できる砂糖の量)
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資料①、②、③より1日50gという基準値が出ています。
食事で摂るさとうの量とおやつで摂るさとうの量を半分ずつと考えた場合、おやつで摂るさとうの量は1日25gとなります。
以上の点から、この3つの資料を「おさとう3本分」の根拠として考えています。
また、資料①は歯科からの基準値で、資料②、③は生活習慣病の予防の観点からの基準値です。
このことから「おさとう3本分」は、口腔内の健康だけでなく、全身の健康にも重要となるおさとうの摂り方になります。